センター長ご挨拶

 全国の死亡者数は年々増加し、現在は年間約126万件に達しておりますが、そのうち異状死として警察等に届けられる件数は約17万件(交通事故死含)にもなります。異状死の死因究明を担う法医学者は全国で約150名と少ないこともあり、我が国における解剖率は先進国としては極めて低く、死因究明等に従事する人材の育成が強く求められています。平成24年6月に「死因究明等の推進に関する法律」が議員立法により制定され、増加する異状死の死因究明や大規模災害の発生に伴う死亡者の死因究明と身元確認の重要性が認識されるとともに、死因究明等に活用されるAi(オートプシー・イメージング、死亡後画像診断)の社会的重要性が年々高まってきています。

 平成26年6月には「死因究明等推進計画」が閣議決定されました。この計画によって死因究明等が重要な公益性を有するものとして位置付けられ、死因究明等に係る実施体制の強化と死因究明等に係る人材の育成及び資質の向上が期待されています。また、平成27年10月より「医療の提供に関連して死亡した者の死因究明に係る制度」が制度化されました。このような状況を踏まえて、本研究科では平成28年4月に死因究明教育研究センターCenter for Cause of Death Investigationを設置しました。

 本センターは、法医学部門、病理学部門、オートプシー・イメージング部門、法歯学部門、臨床法医学部門を擁し、北海道大学病院の医療安全管理部とも連携し、死因究明・外傷評価・身元確認等に係る教育・研究拠点として活動を展開し、死因究明等に携わる人材の育成に当たっています。また、道内外の大学や北海道警察、北海道保健福祉部、科学捜査研究所、北海道医師会、北海道歯科医師会、地域基幹病院、海上保安庁など学外の関連機関と積極的に連携し、死因究明等に係る知識の共有・向上を目指しています。

 皆さまには本センターの活動にご理解とご支援を賜りますようお願い申し上げます。

死因究明教育研究センター   センター長 吉岡 充弘